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ホルスターというのは拳銃を収納し持ち運ぶためのケースで、特に身につけるタイプのものを指します。 ですので、基本的には拳銃を落としてなくしたり、間違って暴発させたりしないための配慮がなされています。 また、目的によっては素早く抜き撃ちできること、目立たないように拳銃を所持できるような形をしていることなどが条件に加わります。 どんな形態のホルスターを選ぶかは目的によるわけですが、使われる分野によって大まかに三つに分けることができるかもしれません。

ひとつ目は、軍用のホルスターです。兵士が前線で身につけることを前提にされていますが、使われ方により形式が異なります。 例えばパイロット用のものだと狭い機内で着用する必要がありますので、胸のあたりに他の装備の邪魔にならないように取り付けられます。 軍用ホルスターの特徴は何と言っても激しく体を動かしても銃が間違って脱落しないよう、しっかりと保持する構造になっている点でしょう。 素早く抜けるかどうかはこの際二の次になってしまいます。

ふたつ目は、警察や民間で使われるホルスターです。目立たないように携帯する場合には脇の下に銃を吊るすショルダーホルスターがよく使われます。 コンバットシューティングのように素早い抜き撃ち（クイックドロー）が必要とされる場合には、腰のベルトなどに取り付けられるヒップホルスターがもっぱら中心となります。 目的別以外にも銃の形態（リボルバーかオートマッチックか、銃身が短いか長いか、等）に合わせる形で実に様々なものが販売されています。 特にクイックドローを目的とする場合は、銃との相性や個人の好み、癖などと密接に関連してきますので、実際に着用しながら選ぶという作業が不可欠となります。 もっとも、素早く抜き撃ちできるかどうかは練習によるところが多いのも事実ですが。

最後に、ウェスタン用のホルスターを取り上げます。 西部劇ではお馴染みのアレですね。 使用される拳銃は回転式、それも４５口径コルト“ピースメーカー”に代表されるようなシングルアクション拳銃がもっぱら使われます。 利き腕側の腰の低い位置に拳銃を保持するベルトと一体になったもの（ガンベルト）や、ホルスター単体が独立したループホルスターなどがあります。 いずれも革製で作りも重厚。値段もそれなりに張りますが、それ自体に芸術品的な価値を見出し、収集される場合もあるようです。