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ガバメントとは「政府」のことですが、銃の世界では一般に、「コルト・ガバメント・モデル」のことを指す言葉として使われます。コルト社が製造したブローニングの流れをくむ自動拳銃で、米軍に1911年に正式採用された自動拳銃と同一仕様の民間向けモデルなので「官給品と同じ型式」を意味する呼称で区別されました。同社からは他にも同系列で銃身を短くした「コマンダー」、競技用に銃身やサイトを変更した「ナショナルマッチ」が出されています。

ガバメントは最初に世に出てから百年以上経った現在でもなお製造され、一部はなおも軍用で納められているという、拳銃の歴史に名を残す名銃の一つです。構造としてもバレルのショートリコイルやグリップセーフティーの採用など、現代の拳銃にもつながるデザインを当初から備えていました。現在は9mmの弾丸が全盛ですが、コルト・ガバメントの45口径弾の威力をいまだに買っている軍人なども多いと聞きます。歴史がある分、競技用などにカスタマイズされた例が多いのも、同銃の特徴の一つです。

オリジナルのM1911A1スタイルのコルト・ガバメントはいかにも自動拳銃らしいフォルムが特徴ですが、同時にフォルムや表面がストレートでシンプルな形状をしています。これが幅広いカスタマイズ受け入れられる理由となったのかもしれません。

ガバメントのカスタマイズには、幾つかのポイントがあります。例えば銃身ですが、ショートリコイル機構を実現するために銃身とスライドは完全に分離した形となっており、少しですがガタつきがあります。専門のガン・スミス（銃職人）はそれを抑え込むために銃身を肉厚にして隙間を無くすなどの工夫をしています。トイガンなどでも分かりやすいのは、グリップやトリガー周り、マニュアルセーフティー、照準器に対する変更でしょうか。

もともとは軍用モデルですので、これらは極めてシンプルに作られています。ただ、マニュアルセーフティーはちょっと指に引っかかりづらく左側にしかないため、カスタマイズでは真っ先に変更対象となります。またサイトもターゲットシューティングを意識するには簡素すぎますので、調整可能なものに置き換えるのが定番です。

コルト・ガバメントのトイガンでも、このようなカスタマイズを施したものが多数、目にされるでしょう。東京マルイからはガバメントベースの、実銃のない完全オリジナルまでが出されています。自動拳銃の基本形だからこそ、このような展開が広まったのだと考えられます。また、拳銃の基礎を知る上でも、入門用として最適なのかもしれません。