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ワルサー社はドイツの老舗銃器メーカーのひとつです。戦前からその自動拳銃は有名で、戦後になっても軍用や警察用の拳銃を作るほか、競技用のピストルやライフルのメーカーとしても知られています。また、大戦中に生産されたPP、PPKやP38などのモデルは広く映画やドラマ、アニメなどに登場し、ジェームス・ボンドやルパン三世など、しばしば主人公の愛銃として人気を集めました。

ワルサーのトイガンは、大まかに二つのグループに分けられるような気がします。ひとつは先に挙げたP38やPPKなどの「クラシックな」モデル、もうひとつはP99のような最新のモデルです。特にエアガンの世界ではサバゲーでの使用が前提となっていますから、どうしても最新の発射性能やオプション装着ができるガンに重きが移っています。ですから、前者のような古いタイプの機種は、かつてはモデルガンメーカーで必ずと言っていいくらいラインアップされていたものの、現在の大手エアガンメーカーではほとんど目にされることがなくなってしまいました。

モデルガンとしてワルサーのトイガンを出しているのがマルシンです。特に人気のあるP38やPP、PPKについては各種、いずれも発火式のブローバックガンとしていまだに販売されています。モデルガンそのものが下火になってしまっている現在、やはり同社の存在は貴重なものかもしれません。

やはり、ワルサーのトイガンといえば、なんといってもマルゼンの名をあげなければなりません。同社はトイガン・メーカーとして唯一、ワルサー社と正式に提携を結んでおり、実銃の図面提供やテクニカルアドバイスなどのサポートを直に受けていることで知られています。その結果をもっともよく反映させ、作り出されたのが最新の軍・警察向け拳銃P99のガスブローバックエアガンでしょう。

P99は、一時低迷していたワルサー社がようやく送り出せた意欲作です。フレームにポリマーを採用し、撃針が外に露出していないことをカバーするための機構などが工夫されています。これを機に、ジェームス・ボンドが古いPPKからこちらへと乗り換えたというのでも有名です。マルゼンのP99は特にワルサー社からもその完成度が評価されているということですから、一度手にとって見てみるのもよいかもしれません。