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トロンボーンは金管楽器です。内部が空洞になっている管に息を吹き込んで鳴らす管楽器は、金管楽器と木管楽器とに大別されます。金管楽器は英語ではBrass（真鍮）といい金属製の管楽器と捉えられがちですが、木管楽器にも金属製のものがあるように、素材ではなく、音の出し方によって分けられています。木管楽器と金管楽器は材質によって分けられるのではなく、唇の振動によって鳴らすものが金管楽器、唇以外のリードなどを震わせて鳴らすのが木管楽器です。

金管楽器の祖先は新石器時代のメガフォン型のラッパに遡ります。エジプトの出土品の中には金、銀、青銅、土器、貝、象牙、木、樹皮、竹、瓢箪など、様々な素材と形のものが見られます。アッシリア時代に描かれた直管のラッパを経て、ギリシア・ローマ時代にサルピンクスが生まれます。当時は儀式や軍隊や競技でファンファーレや信号として用いられました。真っ直ぐ長い形では戦争や狩猟で持ち運ぶのに不便であったため、次第に管が曲げられるようになります。15世紀に入って管の継ぎ足しができるようになって生まれたスライド・トランペットの原形から、トロンボーンが生まれました。

初期のトロンボーンは引く・押すという意味でサックバット（Sackbut）と呼ばれました。トロンボーンの音域が成人男性の声域に近く、スライド・システムでスムーズに音程を変えられることから”神の楽器“と呼ばれて教会音楽に重用され、世俗的な音楽には使用を自重したため、オーケストラで使われるようになったのは19世紀に入ってからでした。

メーカーはBach（バック）、C.G.Conn（コーン）、Courtois（クルトワ）が有名です。バックは、ウィーン生まれのトランペット奏者ヴィンセント・バックが設立したアメリカのメーカーです。太く力強い音色で、トランペットと共にクラシック・ポピュラーを問わず広く普及しています。現在はスタインウェイ・ミュージカル・インスツルメンツ傘下のブランドです。コーンは、コルネット奏者チャールズ・ジェラルド・コーンがアメリカで設立し、1893年のシカゴ万国博覧会で最高栄誉賞を受賞したメーカーです。柔らかな音色が特徴で、特にクラシック界で称賛されています。クルトワは、楽器職人の娘アントワンヌ・クルトワが1803年に設立したフランスのメーカーです。艶がある軽快な音色で、ヨーロッパで絶大な人気を誇っています。日本ではヤマハが有名です。