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「フルグレックス（Fulgurex）」は、スイスのローザンヌに本社を置く貿易会社であり、ブラスモデル（真鍮製）の鉄道模型を輸入しています。 この「フルグレックス（Fulgurex）」は、「The king of the lightning flash（稲妻の王）」を意味している「Fulrur」と「Rex」を組み合わせた造語が由来。

1947年に、アントニオ・ジアンザンティが、ローザンヌのミディ通り2番地に鉄道模型店をオープンしたのがメーカーの始まりでした。 この創業者のジアンザンティは、ブリキ製の鉄道模型やおもちゃのコレクターだったため、当時はフランスの鉄道模型メーカーのVB社の製品をスイスに輸入する輸入代理店でした。 また、ジアンザンティは世界的に見ても模型に造詣が深い人物だったため、鉄道模型と自動車模型の収集家としても有名だったのです。 ジアンザンティが亡き後に開催された1989年のオークションでは、自慢の鉄道模型のコレクションが400万ポンド以上（約6億円ほど）で落札されました。

このフルグレックスが、日本の鉄道模型メーカーと関わりを持ったのは1962年のこと。 日本の鉄道模型メーカーである天賞堂と提携をし、日本製のHOスケールの鉄道模型車両の輸入と販売をスタートしました。 初めて手掛けた製品は、フランス国鉄の「141R形」の蒸気機関車であり、その後の1967年からはOスケール、1970年からは1番スケール、そして1983年からはNスケールを取り扱うようになりました。 スイス国鉄では「Ce 6/8 II形電気機関車」、「Ae8/14形電気機関車」、「Ae4/7形電気機関車」の3つを生産。 また、「王立バイエルン邦有鉄道S3/6型蒸気機関車」もかつて製造されました。

他にも、1970年代頃に1/12スケールの1931年式のメルセデス・ベンツや、1931年式のベントレーなどの自動車模型も限定販売した経歴があります。 また、1934年式のブガッティ・タイプ59も発売を計画していましたが、カタログ掲載まで行ったものの量産されることはありませんでした。 この各種鉄道模型車両や自動車模型は、原鉄道模型博物館に収蔵されており、横浜に足を運べばその姿を確認することが可能です。